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岡 潔; 中村 哲也*; 植田 裕久*; 千葉 敏雄*
no journal, ,
双胎間輸血症候群(TTTS)に対し、胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術(FLPC)を可能とするために胎児外科治療用レーザー内視鏡器具の開発を行っている。本件では、レーザー照射対象物として豚肝臓を用い、通常使用されるレーザー伝送用光ファイバ(0.6mm)と、開発した複合型光ファイバスコープ(先端部に搭載するレンズは3種類)を使用し、それぞれのレーザー照射の組織焼灼性能を比較した。その結果、(1)通常使用されるレーザー伝送用光ファイバの場合、照射距離が10mmとしたとき、レーザー出力を1040Wに変動させると、照射痕の直径がレーザー出力に応じて1.9mm3.6mm程度、深さは1.42.6mmに変化することが明らかとなった。一方、(2)複合型光ファイバスコープの先端部が石英製レンズの場合、対象物との距離を10mm(焦点距離)に設定した際、レーザー出力の変化は焼灼部の色調(いわゆる焼け具合)のみを変動せしめ、照射痕の直径(2.6mm)と深さ(2mm)はいずれもが常に一定に保たれることが明らかとなった。これに加え、(3)対象物との距離が10mmを超えた(焦点距離からずれた)場合には、焼灼性能が低下し過焼灼が防止されるという安全面の利点も明らかとなった。